2011/06/26

KABUKI


シアターコクーンに歌舞伎を観に行きました。

盟三五大切(かみかけて さんご たいせつ)です。

愛憎深く絡み合い、綿密な構成でグルグルとメビウスの輪のように繋がってゆく

物語でした。

自分を騙した、愛する女「小万」の首を打ち落とし、懐に入れ、

舞台に降る土砂降りの雨の中から霧雨の舞う客席沿いへと歩を進める

「源五兵衛」(中村橋之助さん)の言葉にならないほど思いを込められた表情が

美しく悲しく胸を打ちます。

持ち帰った首を目の前にぱくぱくと白いご飯を食べてゆく「源五兵衛」は、

首であっても「小万」を自分の物に出来た喜びとそれでも収まらぬ憎しみとが

入り交じり、人の思いの複雑さを感じます。

たとえ自分で殺して打ち落とした首でも、それは愛しい自分の女であり 

愛しいからこそ裏切られた憎しみも激しく、正気と狂気は地つながりです。

ラストは幻想のような回り舞台で、死んだ人達すべてが幸せに暮らしている場面

あの世であっても救いがあります。

こんな複雑な感情を 私は表現できるだろうかと思いました。


2011/06/21

Villa of the Yamanakako

週末、山中湖の友人の別荘に遊びに行きました。


ドーム型のその別荘は、

雨にしっとりと濡れた

緑が美しい森の中にあり

ます。



朝 扉を開けると真っ先に、木々の生命力に満ちた香りと鳥のさえずりに

包まれます。

気持ち良いベンチや彫刻が庭のそこかしこにあり散策がとても楽しい。


別荘の建物はすべて三角形で構成されていて、

ドーム型の天井、壁や窓も三角です。

三角に切り取られた森の緑が、天窓やバスルーム

の窓からも溢れるようです。
 
夕食はイタリアンレストランで頂きました。    前菜の盛り合わせ(稚鮎の素揚げ 豚肉入りライスコロッケ パプリカのグリル 魚の薫製 生ハムとルッコラ 鳥のロール)、桜えびと水菜のパスタ、牛ホホ肉の赤ワイン煮込み、デザートに桃のブラン・マンジェでした。                  どれも美味しく、沢山頂きました。        翌日は川沿いにある露天風呂の温泉にゆっくり入ってから帰るという、ゆったりと時を過ごした旅でした。
AさんHさん、ありがとうございました!

2011/06/20

Traditional cuisine of japan



お魚屋さんで山口産のはもを見つけたので、鱧の湯引きを作ってみました。

と言っても、骨切りしてあったので湯引いただけですが。。

湯引いてすぐのはしっとりと甘みがあり美味しいです。

山椒の実を煮たところだったので、上に添えて一緒にいただきました。

以前山口県に行った折に そのお魚の美味しさには感動してしまうほど、

河豚はもちろんの事ですがどの魚も関東とは違い、特に雲丹の味は

他では味わうことの出来ないほど素晴しいものでした。

おもわずおかわりして、お腹いっぱい雲丹寿司を食べてしまいました。

山口県に住んでいる方が羨ましいかぎりです。

そんなことを思い出しながら食べると、ちょっと美味しさも増します。

pepe

鱧の湯びきは部屋中を良いにおいで包み、写真を撮ってから残りの鱧の所に行くと

うちで一番大きなネコのpepeが お相伴にあずかっていました..。グルメです。トホッ

2011/06/16

Singing In The Rain


雨の日も気持ちだけは明るく、お気に入りの長靴とレインコートがあれば

お出かけもまた楽しくなります。


どしゃぶりの中でこれほど幸せそうな彼は、見ているこちらまで

幸せな気持ちにしてくれます。

理由はなくても、こういう気持ちは伝わってゆくものなのかもしれません。

記憶とつながって、幸せの箱が開くみたいな感じでしょうか。

2011/06/06

Early summer

© setsuko kato 2023
mobile made by wood, brass, aluminum wire

梅雨の中休み、久しぶりのお日様に風が爽やかです。

ウグイスの歌声も聴こえています。

六月は風待月かぜまちづき)とも言うそうです。

こんな日は窓辺にモビールを吊って 風に回るのを眺めるのも楽しいです。

木で作った お魚と雫、迷子になった犬と家、月と星が 真鍮やアルミのワイヤーから

ゆらゆらと揺れています。

春のはじめに真っ先に咲いたミモザは、庭ではとうに花を終え 今は豆の莢のような

実をたくさん付けています。

でも、うちのダイニングの天井ではドライになったミモザがまだ咲いています。

夏になったら天井はローズマリーに変わる予定です。

季節が移り変るのは、ほんとうに楽しいことです。 

2011/06/01

My first object of metal

© setsuko kato 2023
made by metals

子供の頃から作ることが大好きで、ありとあらゆる素材で作ってきました。

紙や布はもちろんのこと、公園に降り積もった木の葉や木の実、

河原で拾ったお気にいりの石や 割れてしまったお皿やガラスのかけら、

本の中のワンフレーズの言葉...etc。

心と目に留まったものすべてが私にはきらきらと輝いて見え、

材料になってくれました。

もし無人島に流されることがあっても、きっと そこにある物で

何かしら作っていると思います。

でも金属を使いだしたのは大人になってからです。

ある日 乃木坂の工事現場の横を通ると、それは大きなボルトとナットが

道にごろりと落ちていました。

日差しを浴びて完璧なフォルムでギラリと光り、私にとっては

それはとても美しく、しゃがみ込んで暫く見とれてしまいました。

そして時計を分解するのも好きだったので、自転車のギアにも自然と

引きつけられるようになり、何の技術も持たないまま作り始めていました。

このオブジェは、そんな金属で作り始めた頃の物です。

GONTITIのレコードジャケット用に作りました。

撮影のため、私はこのオブジェをリュックに入れて富士山に登りました。

雪と雪解け水を背景に写真を撮って下さったのは 伊島薫さんです。

このオブジェが、私が作り手としての道を歩むきっかけになったのだと思います。

そしてこれから作る物にもどこかで繋がっているルーツのような気がします。



ps:このジャケットを気に入られて大学生の頃  部屋に飾って下さっていた方に
偶然、最近出会いました。
随分前のことなのに作品を憶えていて下さったなんて、本当に感激でした。
その方はギターの弾き語りで、Bossanovaをあたたかい声で歌われてます。