2011/01/31

da toscana

© setsuko kato 2023
object in the Italian tuscan garden

イタリアのトスカーナの家を一ヶ月あまり借りていたことがあります。

広い庭には野バラやたくさんのハーブが香り、実のなる大きな樹木があり、

ロバのLunaと Luluがリンゴやイチジクの実を食んでいました。

井戸からポンプで汲み上げられた冷たい水がいつでも循環している、

小さくてかわいらしいプールからは近くの村と城の風景が見渡せ、

そこかしこに隠れるようにベンチもあり、本を持って庭で過ごしたり、

牧歌的な日々でした。 

周りは点々としか家がなく、オリーブ林と糸杉、広大な空が広がり、

夜空の星はほんとうに降るようで畏敬の念を覚えます。

ある晩遅く、嵐がきて近所に雷が落ちました。

それはそれはすごい音と力で、生身の自然のエネルギーに

自分の存在の小ささが気持ち良いほどでした。

そして翌朝 停電で水も出なくなると、そこに長く住んでいた友人はプールに

バケツを持って走り、水汲み、バスルームの前にセット、必要最小限の水は

プールのおかげで確保できました。(飲み水はペットボトルがあるので)

もとよりTVも電子レンジも無い所なので、停電してもあまり困ることも無いの

でした。 

© setsuko kato 2023

made with the Italian tuscan garden instrument

庭の納屋で見つけたものでオブジェを作りました。

古くなって捨てられていたスコップやノコギリの刃、その他色々なものと、

頭の上に乗っているのはその時飲んでいたビールの缶を切って作ったモビールです。

オブジェはそのままトスカーナの家に置いてきました。


ここでの生活は、自分に取ってほんとうに必要なものは少なく、少ないからこそ

大切にして、丁寧に生きてゆくという豊かさを教えてくれました。

そして人生を楽しむことも!

2011/01/26

The Martian Chronicles

© setsuko kato 2023

© setsuko kato 2023


A chair made by iron

ずいぶん前に作った物ですが、あらためて見てみるとどこか古いSF映画みたいで

『The Martian Chronicles 火星年代記』というレイ・ブラドベリーの小説を

思い出しました。映画も特有の空気感があって大好きな作品です。

『HEATWAVE』のCDインナー用に作り、そちらの撮影は M. ハスイさんが素敵な

写真を撮って下さいました。


2011/01/21

Let there be light

© setsuko kato 2023

made by iron and swarovski 1m x 70cm

鉄とスワロフスキービーズのオブジェ

日々に 心に すべてに 闇を照らす 光あれ



2011/01/18

The Book Of Love

© setsuko kato 2023

made by brass, copper and aluminum  

真鍮、銅、アルミのオブジェです。

色々な思いがあって作ったものですが、出来上がってみるとさっぱりとして

それらは何処かへ飛んでいってしまうようです。  

この本に書かれていることは、その時々、読む人によっても変化してゆくようです。

Peter Gabrielの「The Book  Of  Love」という曲を聴きながら作りました。



2011/01/15

The shrine which has the statue of the cat at Tokyo

 
小正月なので、お正月のお話を。

今年の初詣は、浅草の今戸神社に行きました。

招き猫発祥の地と言うことで、とても大きな招き猫たちがお出迎えしてくれます。

よく見ると目や口の表情も違う、なんとも味のある白ネコと三毛ネコです。

おもわず猫たちの健康と幸せだけお祈りして、帰りしなによく見ると...

ここは縁結びの神社でした! 

福(幸福)と禄(生活・経済の安定)と寿(健康にして長命)との三つの福徳を

授ける福の神、福禄寿さまのいる所だそうです。 

なんだか太っ腹な神様で、ありがたいです。

2011/01/11

Geneviève de Brabant 2

© setsuko kato 2023
made by iron 



© setsuko kato 2023
 

そして、これはまた影絵です。


舞台の仕事では何度も魔法のような瞬間があります。

台本を読めば それをいかにして作るかを私は考えてしまいますが、

ご一緒した役者の丹下さんは何も無くてもそれを表現してしまいます。

それは帽子が無いのにウサギが出てくるみたいで、私はビックリ!

とても新鮮な感覚でした。

そして柴野さつきさんのピアノ演奏はそれこそ魔法のようで、

空から何か舞い降りてくるのが見えるような そんな詩的で美しい世界でした。

舞台の仕事は このように多くの人の才能と、そこで生み出される人と人との

化学反応で出来ています。

幕が開く迄にも何度もあるドキドキしたスリリングな瞬間は、幕が上がった後は

見て頂ける方達への魔法へとつながってゆきますように。

2011/01/07

Geneviève de Brabant (Erik Satie )

© setsuko kato 2023
『ブラバンのジュヌヴィエーヴ』は、昨年春、秋、横浜赤い靴劇場で行われた

エリックサティのミニオペラです。

スパイラルやリビングデザインセンターOZONEの環境音楽を制作している尾島由郎

さんと、ピアニストの柴野さつきさん、翻訳の大貫美帆子さん役者の丹下一さん

振付の早川ゆかりさん達が生み出した日本初の公演です。

柴野さつきさんのピアノ演奏、オペラ、役者さんやダンサーさんのパフォーマンス、

あやふみさんのメーク、そして私のオブジェと影絵で構成された実験的な公演でし

た。ここからまた新しい作品も広がってゆく予感がします。

出会いは贈り物で、とても感謝しています。

2011/01/05

Happy New Year !

© setsuko kato 2023
あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いします。

みなさまに多くの福が訪れますように!

写真はピアニストの柴野さつきさんによるエリックサティのミニオペラ、

『ブラバンのジュヌヴィエーヴ』で作った影絵です。とても楽しいお仕事でした。